「茶色くなった切り干し大根は食べても大丈夫なんでしょうか?」
ある日の講座に参加してくださった方から、こんなご質問をいただきました。
はい、大丈夫です。
ただし、虫が付いているとか、赤いカビが出ているなどがないかは確認してくださいね。
産地である宮崎の人たちは、茶色くなった切り干し大根の方が、むしろ美味しいというほどなんです。
実は、この質問、いろいろな方からなんどもいただいていますので、ここでしっかりお答えしますね。
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目次
サステナブル料理研究家、一般社団法人DRYandPEACE代表理事のサカイ優佳子です。
2011年からは特に、現代のライフスタイルに合わせた乾物の活用法の研究、発信に力を入れ、著書14冊(うち、乾物関連7冊)になりました。
- 食品ロス削減
- 省エネ
- もしもの時の備え
そして意外かもしれませんが、料理を時短にしてくれるのが乾物。
いいことだらけの乾物をふだんの食卓に取り入れる方法を、このブログでもいろいろお伝えしています。
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Re・rise News
1 切り干し大根が茶色く変色する理由
切り干し大根が茶色くなるのはメイラード反応
切り干し大根が茶色くなるのは、メイラード反応によるものと言われます。
メイラード反応が起こると、香り成分が生成され、その香りによって、人は美味しさが増強されるように「錯覚」すると言われています。
なので、茶色くなった切り干し大根は、むしろ美味しくなっていると考えていいのです。
賞味期限が過ぎても大丈夫?
一般的に、賞味期限は短めに設定されているので、多少過ぎたくらいでは問題ありません。
食品ロス問題の専門家、井出留美さんは、著書「賞味期限のウソ」の中で、ほとんどの食品の賞味期限は実際より2割以上短く設定されていると指摘しています。
その日までに「消費しなければいけない」消費期限と違って、賞味期限は「おいしく食べられる期限」、あくまで目安です。
しかも賞味期限は、本来のおいしく食べられる期限より短めに設定されていることがほとんどです。
出典 : 井出留美「賞味期限のウソ まだおいしく食べられるのになぜ店頭から撤去されるの?」
ただし、先にも書いたように、
- 虫がわいていないか
- 赤くカビていないか
については、ちゃんと確認してくださいね。
その場合は、残念ながら廃棄することになるので、次回はそうなる前に食べきるようにしましょう。
2 メイラード反応とは?
⑴メイラード反応とは何か
メイラード反応とは、糖とアミノ酸が反応して褐色物質が生成され、さまざまな香り成分が出てくることを言います。
例えば、肉を焼くと周りが茶色くなっていい香りが漂いますよね。
あれは、メイラード反応によるものなのです。
- 加熱によって肉の表面の細胞が壊れる
- 汁が流れ出る
- 汁に含まれる糖やアミノ酸が反応
- 焼き色がつく
- 焼いた肉特有の香りが生まれる
ということなのだそうです。
焼いた肉の香りは、生のそれとは全く違います。
そして食欲をそそりますよね。
パンケーキが茶色くなるのも、またメイラード反応によるものです。
⑵加熱をしていなくてもメイラード反応は起きるのか?
さて、でも加熱はしていない切り干し大根でもメイラード反応は起きるのでしょうか?
例えば、味噌がだんだん濃い茶色になるのも、メイラード反応によると言われています。
肉を焼く時のように、加熱すれば即座にメイラード反応が起こります。
でも、例えば味噌の場合は発酵によって、切り干し大根は乾燥によって、食材の細胞が壊れることで、食材に含まれるアミノ酸と糖がゆっくりとメイラード反応を起こすと言われています。
(3)茶色くさせないためには
農学博士の川崎寛也氏によれば、
乾燥食品は常温でもメイラード反応が起こります。
干した魚、干しぶどうは常温でどんどん褐変します。
加熱していないのに褐変します。
温度は高いほど起こる。
10度以下ではほとんど起こらない。
20度くらいになると起こる。(関西食文化研究会での基調講演「メイラード反応とは何か」より)
ということです
となれば、もし切り干し大根が茶色くなるのを防ぎたければ、10度以下の温度で保存すればいいということになりますね。
なので、切り干し大根を色が変わらないまま長く保存しようと思えば、冷蔵庫で保管するのが良いでしょう。
3 茶色く変色した切り干し大根の使い道
さて、メイラード反応を起こして美味しくなった切り干し大根にむく料理について、考えてみましょう。
サラダや和え物などには、やはり茶色い色はあまり美味しそうに見えないので、新しい切干大根で作った方がいいのではないでしょうか。
定番の煮物
茶色く変色した切り干し大根は、煮物にすると驚くほど甘く仕上がります。
その時は、もちろん戻し汁をダシとして利用して煮てください。
旨味や水溶性の成分が溶け出しているので、捨てるのはもったいないのです。
カレーの具に
カレーに加えても美味しいです。
<レシピ>乾物ドライカレー
東急百貨店 渋谷東急フードショーのサイトでご紹介したリンクを貼っておきます。
渋谷東急フードショー 「食育のヒント 乾物ドライカレー」
濃い味の炒め物に
濃い味の炒め物に加えれば、色も気にならず美味しく食べることができますよ。
<レシピ>切り干し大根と豚肉のオイスターソース炒め
東急百貨店 渋谷東急フードショーのサイトでご紹介したリンクを貼っておきます。
渋谷東急フードショー 「食育のヒント 切干大根と豚肉のオイスターソース炒め」
<レシピ>切り干し大根の豚キムチ炒め
NHKでご紹介したレシピのリンクを貼っておきますね。
NHKのサイト「切り干し大根の豚キムチ炒め」
グラタンの具にも
<レシピ>切り干し大根と鶏肉のグラタン
こちらも、以前NHKでご紹介したレシピが残っているので、リンクを貼っておきます。
NHKのサイト「切り干し大根と鶏肉のグラタン」
炊き込みご飯に
炊き込みご飯にするのも、オススメです。
簡単に作ろうと思えば、ちょっとだけ多めに水加減したお米と切り干し大根だけで炊くシンプルなものでも、大根の甘みを感じて美味しいですよ。
塩、胡椒少々をふって食べるのもいいのです。
結論
- 切り干し大根は、茶色くなっても食べられるし、むしろ美味しい。
- ただし、虫と赤いカビに注意(食べられません)。
- 茶色くなった切り干し大根は、煮物やカレーなど色が気にならない料理に使うと良い。
- 茶色くさせたくない場合は、10℃以下で保存する。
捨てずに、美味しく食べる人が増えてくれたら嬉しいです
家庭からの食品ロス削減の一助になるでしょうか。
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