乾物のスルメ(アタリメ)をイカとして復活させる〜乾物料理のプロが解説

スルメを重曹でもどす

乾物クイズに挑戦

スルメとアタリメに違いはあるのか

乾燥スルメ(アタリメ)

まずはスルメとアタリメについての定義から。

どちらも内臓をとったイカを乾燥させたもので、同じものを指します。

ただ、スルメという音が、お金を盗まれる「スル」や博打などでお金をなくす「スル」を連想させるために、「当たる」にかけてアタリメと呼ぶならわしがあるのです。

スルメにも種類がある

スルメと呼ばれているものの中にも、実は種類があります。

通称一番するめ

剣先イカが原料。九州、山口で作られる。

2番するめ

最も生産量が多い。北海道、三陸が主要な産地。

(出典:改訂新版 世界大百科事典 「するめ」)

神撰の大量のスルメをどうしたらいい?

神饌

2012年くらいでしょうか。

連続講座に参加してくれたお一人から

「スルメがたくさんあるのですが、どう食べたらいいかわからないんです」

との質問をいただきました。

神社の家に嫁がれたとのことで、「神撰(シンセン)」として、スルメがたくさんお供えされるのだそうです。

さて、どうやったらお役に立てるだろう?と調べてみました。

カンスイではなく重曹で戻す

スルメを重曹で戻してみた

調べてみて、中国ではスルメを「カンスイ」で戻して調理することを知ります。

ただ、その戻し方というと、12時間ほど水戻しした後、3〜4時間、今度はカンスイの苦味と臭みを抜くために流水にさらすとありました。

一般家庭で3〜4時間流水を出しっぱなしというのは、現実的ではありません。

また、そもそも「カンスイ」ってスーパーに売っているわけではないですよね。

そこで考えてみました。

カンスイはアルカリ性です。

スーパーに売っていて、家庭で使う人も一定程度いる「重曹」を使ってみたらどうだろう?

重曹は、炭酸ナトリウム。弱アルカリ性です。

さて、重曹水で戻してみたら、スルメがしっかりイカに戻りました。

カンスイとは違って、重曹は多く使えば苦味があるものの、臭みはありません。

なので、戻った後の臭み抜きは不要です。

さて、その戻し方ですが、

  1. 500mlの水に対して、小さじ1/2ほどの重曹を混ぜてとかす
  2. スルメを7〜8時間漬ける(暑い時期は冷蔵庫で、が無難)

これだけです。

すると、こんなふうに戻ります。

スルメを重曹でもどす

2枚入りのスルメの一枚だけ戻して並べて写真を撮りました。

どうでしょう?まるで生のイカですよね!

さすがに刺身で食べることはできませんが

加熱調理になら問題なし。

戻したスルメを、例えば豆苗と炒めるとこんな感じに。

戻したスルメイカと豆苗の炒めもの

生のイカよりイカっぽい感じが凝縮されて美味しいですよ。

「そういえばスルメが残ってるかも、、」というあなた!

ぜひ試してみてくださいね。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
東大法学部卒。外資系金融機関等を経て、娘の重度のアトピーをきっかけに食の世界に。

食には未来を変える力があるという信念のもと、今のライフスタイルにあった乾物や米粉の活用法を中心にレシピを開発している。
料理教室の開催、企業向けメニュー開発、研修など多数。

料理を自由に発想でき、毎日の料理が楽しくなる独自の「ピボットメソッド」を考案。個人やメニュー開発が必要な方向けのトレーニングも行っている。

著書14冊。メディア出演多数。

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