「干し椎茸をはやく戻す方法を教えてください!と言われることがあります。
確かに、15分程度で戻れば便利ですよね。
さて、でもどんなお味なんでしょう?
*ほぼ同じ内容を音声でもお伝えしています。
→ https://stand.fm/episodes/5f7d990a8f5bc0e6e43a3466
1 15分戻しと冷蔵庫で一晩戻しの比較
先日、ある業者さんから、
「ウチの干し椎茸は熱湯戻しで10~15分なんです、便利ですからぜひ使ってみてください」と、
干し椎茸を送っていただきました。
私は普段、冷蔵庫に入れて一晩かけて戻すことをしているので(というか、ほぼ常に戻した状態の干し椎茸が入っています)、いただいた干し椎茸を、半分はいつものように冷蔵庫で戻して、もう半分は熱湯で戻して比べてみることにしました。
左二つ :一晩冷蔵庫で戻したもの
右二つ :熱湯で15分で戻したもの
そもそもの椎茸の大きさにばらつきがあるのでわかりにくいかもしれませんが、見た目でも左の二つは、しっかりふっくらと戻っているのがわかります。
熱湯15分戻し | 冷蔵庫一晩 | |
戻し汁 香り | ほとんどなし | 干し椎茸の香りが心地よい |
戻し汁 味 | 苦みを感じる | 苦みはほとんど感じない |
戻し汁 色 | 薄い | 濃い |
含め煮 煮る時間 | 時間が、よりかかる | |
含め煮 厚み | 薄い | ふっくら |
含め煮 香り | 薄い | 良い香り |
含め煮 味 | 苦味、えぐみを感じる | 旨味、甘みを感じる |
含め煮は、戻し汁とみりん、醤油、鰹節で調味しました。
二つの含め煮を食べ比べたら、①は味が薄く感じられるだけでなく、苦味やえぐみすらも気になりました。
この会社の干し椎茸は、普通に売られている厚みのある「どんこ」タイプの干し椎茸より小ぶりなので、熱湯で15分で中まで戻るということのようです。
2 はやく戻したいなら
スピードと味のどちらをとるか
せっかくの美味しさを、はやく戻したいがために不味くするのはもったいないように感じます。
乾物屋さんや干し椎茸を専門に扱う業者さんのHPには
「高温でいっきに戻してしまうと、味が苦くなる」
と書かれています。
売る側としては、そもそも熱湯で10分などとはうたわずに、とにかく冷蔵庫でじっくり戻したら美味しさが違うとことを強調する方が、干し椎茸嫌いを減らすことにすら繋がるかもしれません。
それでも早く戻したい時には
もし、どうしてもはやく戻したいのであれば、
- スライスの干し椎茸を使う
- 香信(こうしん)をパキパキ折って使う
ことをお勧めします。
香信は、どんこと同じ椎茸ですが、傘が開いてから収穫することで身が薄いため、早く戻りやすいのです。
売れ行き抜群の「はやく戻る椎茸」の正体
以前、別の業者さんから、「はやく戻る椎茸」とパッケージに書いたら売れ行きが大幅に伸びたという話を伺いました。
「特殊な加工をされているのですか?」と伺ったところ、「いえ、小さめの香信だけを袋に入れたんです」との回答に拍子抜けしました。
まとめ
- 干し椎茸の旨味や厚みのある食感を楽しみたいなら、7〜8時間冷蔵庫で戻してからでないともったいないと心得る。
- 味よりスピード!というときは、スライス干し椎茸やパキパキ細かく折った香信を、15分ほど水に浸けて使う。
干し椎茸を冷蔵庫で戻したことがないという方、ぜひ、今お使いの干し椎茸を冷蔵庫で一晩戻してから使ってみてください。
水につけて冷蔵庫に入れるだけなら、数分で済むはずです。
ある方は、その差に驚いて、そう報告してくれましたよ。
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