日本でも知名度が上がってきている、エジプトのスパイスミックス「デュカ」。
市販品も売られるようになってきた人気の秘密は、香りや食感の魅力に加えて、その応用範囲の広さにありそうです。
意外に簡単な自家製デュカの作り方、レシピ、使い方をお伝えします。
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1 デュカとはなにか?
デュカとは、エジプトを中心に中近東で使われてきたミックススパイスの名前です。
アメリカやオーストラリアでも注目されてきたデュカは、日本でも食べるのが好きな人たちの間で数年前から話題になっています。
デュカの呼び方について
日本ではデュカ(dukkah)と呼ばれますが、実は発祥の地エジプトでは「ダッア(ダッッア)」と発音するようです。
ダッアの配合は国によって異なります。最も有名なものはエジプトのダッアとガザ(パレスチナ)のダッアです。エジプトのダッアは、コリアンダー、クミン、こしょうなどで、ローストして粉砕します。(アラビア語版wikipediaの翻訳)
世界の料理研究家&薬剤師の松本あずささんのHPに、エジプトの国民食コシャリ(米とパスタと豆をトマトソースで食べる料理)に添えられるニンニク酢水のダッアの他に、「アラビアのスパイスミックス」もダッアと呼ばれていることについてアラビア語で確認する話が書かれています(こういうオタクっぽいの大好きw)。
上記の説明は、wikipediaのアラビア語版をご自身が翻訳したもののようです。
→世界の料理と暮らしを楽しむDIARY 「エジプト国民食コシャリに添える「ダッア」の名前を検証したら、「アラビア風味のミックス」の意味があることが分かった。」
なお、英語だとduqqaとつづることもあるようです。
デュカの原料

ヘーゼルナッツ
デュカは、ナッツとスパイスで作ります。
ヘーゼルナッツ、クミンシード、コリアンダーシード、塩といった組み合わせが多いようですが、特にアメリカやオセアニアに広まってからか、アーモンド、カシューナッツ、マカデミアナッツ、くるみ、松の実などナッツ類のバリエーションも増え、ピーナッツ、ひまわりの種、かぼちゃの種などを加えているものもあります。
また、ごまを使うバージョンや、クミン、コリアンダーの他に、粒のブラックペッパーやキャラウェイシードなどを加えたり、中にはミントやチーズを加えたりなど、「なんでもあり」な様相を呈しています。
デュカの栄養

ナッツには食物繊維やミネラル、ビタミンが豊富
上記のように、デュカと一口に言っても、さまざまな原料のバリエーションがあるので一概には言えませんが、ナッツ類には食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富ですし、複数のスパイスの風味で減塩も可能になりそうです。
ただ、ナッツがたっぷり入るので、カロリーは高めです。
市販のデュカのご紹介のときに、わかる範囲でカロリーもお伝えします。
2 自家製デュカの作り方

自家製デュカ
さまざまなバリエーションが可能なデュカですが、やはりベースがないと挑戦しにくいと思います。
先日作ったデュカのレシピをご紹介しますね。
自家製デュカの材料

自家製デュカの材料
無塩ミックスナッツ 80g、A{コリアンダーシード(ホール) 大さじ1、クミンシード(ホール) 大さじ1、フェンネルシード(ホール)大さじ1、白ごま 大さじ2、黒ごま 大さじ1}、塩 小さじ1/4
自家製デュカの作り方
- ミックスナッツをフライパンに入れて、いい香りがたつまで3分ほど中弱火で空煎り(=油をひかずに火を入れること)したら取り出す。
- フライパンにAを入れて、空煎り、こちらも香りが立つまで中弱火で火を入れる。
- 1、2、塩を合わせてフードプロセッサーにかける。

スパイスを煎る

煎り上がったスパイス
少し詳しくポイントを説明しますね。
作り方のポイント
ポイント1
強火にすると、周りだけが焦げてしまうことがあります。
中弱火でゆっくり煎りましょう。
ポイント2
1と2を一緒にやろうとしてはいけません。
同時に入れると、大きいナッツが煎り上がる前にスパイスが焦げてしまいます。
3 自家製デュカの保存方法
粗熱が取れたら瓶などに入れて、常温で保存します。
湿気の多い時期は特に、シリカゲルなどの乾燥剤を入れておくと良いでしょう。
ナッツの油分が多いので、酸化する前に早めに使うことをおすすめします。
4 市販のデュカ
意外に簡単に作ることができるデュカですが、スパイスを一から揃えるのはちょっと、と思う方もいるかもしれませんね。
実は、デュカは、すでに日本でも数社が作っています。
カルディのデュカ

カルディオリジナルデュカ
カルディのオリジナル商品で、50g入り。
1袋50gあたり、335kcalとあるので、100gあたりにすると670kcalになります。
原材料
カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、松の実、ペカンナッツ(ピーカンナッツ)、白ゴマ、コリアンダー、クミン、食塩
4種類のナッツが入っているのが特徴です。
FAUCHON(フォーション)のデュカ

FAUCHONブランドのエスビー食品のデュカ
フォーションのデュカは、24g入り。
10gあたり55kcalとあるので、100gあたりに換算すると550キロカロリーです。
FAUCHONのデュカは、S&B(エスビー食品株式会社)が作っています。
賞味期限は、開封前1年とあります。
原材料
ローストアーモンド(国内製造)、クミン、ごま、コリアンダー、岩塩、キャラウェイ、砂糖、焙煎香辛料(カルダモン、クミン、コリアンダー、コーン油、セロリーシード)
こちらはナッツはアーモンドのみで、スパイスが4種類使われているのが特徴です。
スパイスに火を通すときにコーン油を使っているようですね。
伊勢丹のデュカ

伊勢丹で扱うのは朝岡スパイスのデュカ
伊勢丹のデュカは、32g入り。
朝岡スパイスが作っています。
賞味期限は、未開封で製造から1年となっています。
カロリーは、見つけ次第追記しますね。
原材料
ローストアーモンド(アメリカ製造)、ローストヘーゼルナッツ、ローストアーモンドプードル、コリアンダー、いりごま、キャラウエイ、フェンネル、食塩、クミン、ペパーミント
少量ですがペパーミントが入っていること、クミンが少なめでキャラウェイの方が多めに入っているのが特徴です。
業務スーパーのデュカ

一部の業務スーパーで扱っているユーラシア食品のデュカ
業務スーパーでも一部の店舗で、(有)ユーラシア食品のデュカを扱っているようです。
賞味期限は、開封前で6ヶ月。
開封後は、冷蔵庫保存をすすめています。
カロリーは不明です。こちらも見つけ次第追記します。
原材料
ごま、木の実(アーモンド、ヘーゼルナッツ)、コリアンダー、クミン、食塩、その他香辛料
ごまがたっぷり入っているのが特徴です。
5 デュカの使い方
パンにつけて
オリーブオイルとともにパンにつけるのが、定番の楽しみ方と言われています。
蜂蜜とともにパンにつけるのも、おすすめです。
サラダにトッピング
普段のサラダにデュカをプラス

デュカをトッピングしたサラダ
サラダを作ったら、上にデュカをトッピングするだけで、食感と香りのアクセントになります。
ただのスライストマトがグレードアップ?

スライストマトにデュカ
トマトは7mm厚さにスライスして、デュカをたっぷりトッピング。
味を見て足りなければ、塩少々をパラパラ、オリーブオイルをたら〜り。
白ワインのつまみに、いかがでしょうか。
その他
キャロットラペやポテトサラダとも、あいますよ。
シンプルな野菜ソテーにトッピング

ズッキーニソテーにデュカトッピング
例えば、薄切りにしたズッキーニをオリーブオイルでソテーしたら、デュカをトッピング。
魚や肉料理の付け合わせにも、おすすめです。
ほうれん草のバター炒めにも合いますよ。
ジャガイモとも相性抜群〜コロッケに
2021年5月29日に放送されたテレビ朝日の「博士ちゃん」という番組で、「世界の調味料博士ちゃん」こと、竹田かるぃーとさん(12歳)が、デュカコロッケを紹介したのだそうです。
玉ねぎや肉なども入れず、茹でてつぶしたじゃがいもとデュカを混ぜたものに衣をつけて揚げるだけで、ソースもつけず、デュカの味だけで食べるとのこと。
これ、シンプルですが美味しそうです。
揚げ物の衣にデュカ

デュカ衣のカツ
ヒレカツを作ったとき、パン粉にデュカを適量混ぜて揚げてみました。
香ばしくて美味しかったです。
「博士ちゃん」のコロッケにはソースをつけないということでしたが、私もこれを食べてみたとき、レモンを絞るだけが美味しいと感じました。
チキンソテーにデュカ

鶏肉にデュカ
アメリカなどでは、鶏肉とデュカを組み合わせることが多いようです。
鶏肉は他の肉に比べて風味が軽いので、コクを与えるために使うという側面もありそうです。
こんな感じに作ってみました。
デュカチキン

デュカチキン
材料(一人分)
鶏もも肉 100g、デュカ 大さじ2、オリーブオイル 大さじ1、米粉(小麦粉でも可) 大さじ1
作り方
- 鶏肉は一口大に切り、デュカとオリーブオイルをまぶして30分ほどおく。
- 1に米粉を混ぜたら、フライパンでじっくり両面火を通す。
好みでカイエンヌペッパーなどを加えても、味がピリッとしまって美味しいですよ!
野菜と一緒にパンに挟んで食べてもいいし、ご飯のおかずにもなります。
ビールのつまみにもぴったりです。
その他の肉料理への活用アイディア
- ハンバーグやミートローフに混ぜ込む
- 焼き上げたラムチョップにトッピングする
魚料理での活用アイディア
- ムニエルにトッピングする
- 白身魚のカルパッチョにトッピングする
卵料理での活用アイディア

スクランブルエッグにデュカ
- ゆで卵につけて食べる
- 目玉焼きに振りかける
- スクランブルエッグにトッピングする
チュニジアでは、ゆで卵にクミン塩をつけて食べるのが定番と聞きます。
デュカならさらに複雑な香りと食感がプラスされますね。
スクランブルエッグ&デュカ
材料
卵 1個、生クリーム(あるいは牛乳) 40ml、バター 10g、デュカ 適量
作り方
- 卵と生クリームは泡立て器でよく混ぜる。
- フライパンにバターを溶かし入れたら、1を流し入れる。
- かき混ぜずに下の面が固まって来るのを待ち、卵を持ち上げるようにして下の面に液体部分が回るようにしながら火を通す。
- 好みの焼き加減で取り出して皿に盛り付け、デュカをふる。
その他の活用アイディア

デュカヨーグルト
ヨーグルトやクリームチーズと合わせて。
カレーにトッピングする。
グラタンを作る際のパン粉の代わりに、あるいはパン粉に混ぜて使う。
バニラアイスにトッピングするだけで、普通のアイスがエキゾチックな印象に変わります。

デュカアイス
デュカライス
カルディのデュカ風ナッツライスの素
カルディで売られている「デュカ風ナッツライスの素」という商品が大人気なのだそうです。
(2021年7月20日現在、ネットで買えるところは見つかりませんでした)
熱々のご飯1人前(約200g)に、素1袋(30g)を混ぜるだけで、カフェ風おしゃれご飯になるというウリです。
原材料
植物油脂(国内製造)、食塩、ごま、オリーブオイル、ピーナッツ、クミン、コリアンダー、種実加工品、マカデミアナッツ、黒胡椒、調味料(アミノ酸等)、酒精、増粘剤(加工澱粉、キサンタン)、酸味料、酢酸ナトリウム、グリシン
ちょっと添加物が入っていますね。
また、ご飯と混ぜるのが前提になっているからか、塩が多め。
ゴマがメインです。
そして、最も多いのが油です。
カロリーは、1袋30gあたり109kcalだそうです(2袋入りです)。
ナッツを別途トッピングしたり、パセリなどを振りかけたりすると、より見栄えが良くなりそうです。
自家製デュカでデュカライス
とはいえ、、、油はなくてもいいのではないかとも思い、こんな風に自家製デュカでデュカライスを作ってみました。

デュカライス
ご飯に適量のデュカを混ぜたら、レモンと香菜を飾ります。
お酒の後の一口ご飯にもいけそうです。
デュカおにぎり

デュカおにぎり
これもいけます。
おにぎりにしないで、ふりかけとして使ってもいいかもしれません。
まとめ
ちょっと振りかけるだけで、いつもの料理がちょっとおしゃれに変身する魔法の調味料、デュカ。
その魅力と活用法について、うまくお伝えできたでしょうか。
ぜひ、いろいろ使ってみてくださいね!
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