5月のシェアReadingの会(私が主宰している、食をテーマにした読書会です)に参加してくださった方が持ち込んでくださった「ラーメンを科学する」という本。
面白く読みました。
サステナブル料理研究家、一般社団法人DRYandPEACE代表理事のサカイ優佳子です。
2011年からは特に、現代のライフスタイルに合わせた乾物の活用法の研究、発信に力を入れています。
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「サカイ優佳子の 楽しく 美味しく 未来を創る」
1 持論〜ラーメンは日本が誇る食文化
実は、ラーメンって日本が誇っていい食文化だと思っています。
チェーン店も増えて多少昔とは状況も違ってきたかもしれませんが、ラーメンのすごいところはこの辺りと思っています。
- 注文から「着丼」まではファストフードでも、長い時間をかけてその店ならではの配合でスープを取ることを考えれば実はスローフード
- 自分の好みはこういうタイプ!と自由に語れる料理は、ラーメンが一番では?
- 店主のこだわりを客もしっかり理解して、好みの店となれば、遠くても、長時間並んででも食べる(人もいる)
- 普通の人が普通に食べることができる価格
2 ラーメンを科学的に見ると?
「ラーメンを科学する」は、サイエンスライター川口友万さんによる本です。
- 飲んだ後のラーメンは、実はたくさん飲むと低血糖になるためにカラダが炭水化物を欲するから
- つけ麺がぬるい理由
- 名店の味を再現している人への取材
などなど、疑問ごとに専門家を訪ねて取材しています。
美味しい「麺」とは何か?では、麺のタイプによって異なる加水率について書かれています。
例えば喜多方や佐野の手打ちラーメンを再現しようと思うと、加水率が50~60%と異常に高く、柔らかすぎて機械を通らず無理という話など、面白いなあと思います。
普通は32~33%、多加水の麺で37~38%、博多の細麺だと28~30%なのだそうです。
- 健康志向から全粒粉の麺も作られていますが、実は数%混ぜているだけで、全部全粒粉で作ったら苦くて食べられたものではない
- 無化調(化学調味料無添加)ラーメンと言っても、酵母エキスやタンパク加水分解物など実体は化学調味料だけれど食品扱いなので「無化調」とうたうことができてしまう
- それなら、むしろ食材をたっぷり使ってスープを取っていて、いつもの味に調えるために最後にちょっと化学調味料を使う方がむしろずっと栄養価が高く、ミネラルが豊富
- ズルズルっと麺をすすることについての考察
- カンスイとは何か?
などなど、ラーメンマニアが好きそうな蘊蓄が盛りだくさんですが、語り口が独特なので好き嫌いは分かれるかもしれません(私は実はちょっと苦手)。
編集が杜撰なのか、明らかな誤植が散見されるのは残念。
読み終わるとラーメンが食べたくなるのは、まあ必定w。
*食に関する役立つ情報をお送りしています。
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