分野もそれぞれ5冊をご紹介!食がテーマのオンライン読書会

2021年オンライン読書会

サステナブル料理研究家のサカイ優佳子です。
「食って食卓の上の美味しさだけではない」という思いから、月に一回、食をテーマにした本の読書会を開催しています。
昨年からはオンラインに切り替えて、近隣の方々だけではなくご参加いただいています(たまには海外からも)。

ほぼ同じ内容の音声配信はこちらでお聴きいただけます。

目次
1 今回集まった本5冊
2 本の全体像を掴み、対話へ
3 参加者によって質問も変わるので、展開も変わります
4 食の世界は広くて深い、まずは知ることから


1 今回集まった本5冊


リアルの読書会では、テーマを決めて(例えば、行事食、ゲノム編集、魚食、土壌、ベジタリアン、などなど)、それに即した本を主には私が人数分持っていき、参加者の方々にもできれば何かお持ちいただくという方式をとってきました。
でも、オンラインではそれはできず。

「テーマは食」というだけで、細かくは決めずに、各自一冊を選んで参加していただくスタイル。
未読本でもOKです。
今回集まったのは以下の5冊でした。

和食の地理学 あの美味を生むのはどんな土地なのか」金田章裕
地理学の専門家が書いた和食に関する本。旅行記的な楽しさも。

日本の伝統 発酵の科学」中島春紫
麹菌のことを中心に、和食と発酵について歴史を辿るだけでなく、現代の科学からの視点も提供する本。

シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」デイブ・アスプリー
シリコンバレーのIT業界での成功者が、大金と長い時間をつぎ込んで研究し、自分の体を実験台にもして掴んだ「最強の食事」を紹介する本。

本当は危ない国産食品 『食』が『病』を引き起こす」奥野修司
大谷賞受賞のノンフィクション作家が書いた、国産だから安心安全というのは嘘である、とする本。

食料危機 パンデミック バッタ 食品ロス」井出留美
食品ロス問題の専門家が書いた食料危機に関する本。各分野への専門家へのインタビューも。


2 本の全体像を掴み、対話へ


リアルの読書会はこんな風に
リアルな読書会だと、こんな風景なのですが、オンラインは以下のように進みます。

  1. 概読
    お持ちいただいた本を7〜8分かけて「概読」していただきます。
  2. 内容紹介
    1で掴んだ内容を1分でご紹介いただきます。
  3. 質問を考える
    それを聞いて、各自、それぞれの本に対して質問を一つずつ投げかけていただきます。
  4. 質問の答えを本の中に探す
    3で人数分の質問が投げかけられることになるので、その質問の答えを本の中で探していただきます。
    なければないで仕方ないので、ご自身のお考えでも。
  5. 答えの発表から対話へ
    まずは答えを発表していただき、それに対してさらなる質問、ご意見、ご感想をいただきます。


3 参加者によって質問が変わるので、展開も変わります


実は、今回、以前に取り上げた本も一冊入っていたのですが、その時とは質問が異なり、違う展開になりました。
何に引っかかるのか、何に興味を持つのかは人それぞれ。
なので、同じ本だとしても、同じ展開にはならないのが、読書会で人と一緒に読むおもしろいところです。

例えば、こんな質問が上がりました。

私が住んでいる京都の味についてはどんな記述がありましたか?
なぜ、地理学の先生が和食を取り上げたのでしょうか?
乳酸菌の特徴は何ですか?
発酵食品といえば漬物。その塩分について言及があれば教えてください。
最強の食事って、そもそもあるんでしょうか?人種による違いは?
伝統食に止まらず、食も「介入」「ハッキング」する必要があるとのことですが、具体的にどういうことですか?
大豆は危ないという話を聞くのですが、国産がいいのですか?外国産の方がいいのでしょうか?
危なくない食品を選ぶにはどうしたらいいのでしょうか?
バッタの問題について詳しく教えてください。
食糧危機を避けるために、私たちが日々の暮らしの中でできることについて例にはどんなものがありますか?
などなど。

そこからさらに対話が生まれます。
例えば、「実は、塩を使わないザワークラウトを試作しているんですよ」という方がいらして、果物から自家製酵母を起こしてパンを焼く方が「それはどうやっているんですか?」と身を乗り出したり、塩を使わない漬物、木曽福島のすんき漬けの話題になったり、「実は柿酢を作ってまして」「え、私もです」となったり、、。

そもそも、農薬を使わない栽培がしやすいような地域での農業にシフトしていく必要があるのではないかという意見もあり、でもそれでは世界中の人の食料を賄えないのではないかという意見もあり、、。


4 食の世界は広くて深い、まずは知ることから


上の写真は、今まで読書会で取り上げた本の写真の一部です。
ブクログというアプリの本棚に登録しています。
見てみたい、という方はぜひこちらからご覧くださいね。
https://is.gd/tpMECl

いつも思うのは、食の世界は広くて深い、ということです。
環境はもちろんのこと、産業構造や政治、経済、国際関係、栄養、風土などさまざまなことと関係しています。

本を介することで、初めての人とも話がしやすくなるというメリットを読書会というスタイルに感じています。
いろいろな意見があるということを知ることが、まずは大切だなあと改めて思うこの頃です。

食をテーマにした読書会、これからも毎月続けていきたいと思っています。

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今回集まった本のリンクを貼っておきます。どれもおもしろそうなので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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ABOUTこの記事をかいた人

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
東大法学部卒。外資系金融機関等を経て、娘の重度のアトピーをきっかけに食の世界に。

食には未来を変える力があるという信念のもと、今のライフスタイルにあった乾物や米粉の活用法を中心にレシピを開発している。
料理教室の開催、企業向けメニュー開発、研修など多数。

料理を自由に発想でき、毎日の料理が楽しくなる独自の「ピボットメソッド」を考案。個人やメニュー開発が必要な方向けのトレーニングも行っている。

著書14冊。メディア出演多数。

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