栗に近い味わい!ジャガイモの乾物「パパセカ」〜乾物料理のプロが解説

ペルーのジャガイモの乾物パパセカ

ペルーではジャガイモの乾物がよく使われます。

チューニョと呼ばれるものと、パパセカとがあります。

ここではパパセカについてお伝えしようと思います。

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ジャガイモは、世界中で栽培されていますが、乾物にしている代表的な地域はペルーです。

ただ、調べてみると、日本では形や使い方は違うもののアイヌ民族の間で「凍れ芋」(しばれいも)と呼ばれる乾燥ジャガイモが作られており、なぜか山梨県の鳴沢村でも「しみいも」という乾物が作られていることがわかりました。

下の写真は、ある方からいただいた「凍れ芋」です。

アイヌが作る乾燥ジャガイモ凍れいも(シバレイモ)

アイヌが作る乾燥ジャガイモ凍れいも(シバレイモ)

パパセカとは

パパセカは、ペルーで食べられている干しじゃがいもの一種で、パパはじゃがいも、セカは乾燥を意味するスペイン語です。

ジャガイモの皮をむき、適当な大きさに切ってから茹でて乾燥させています。

パパセカは、黄色いじゃがいも(パパ・アマリージャ)で作られることが多いようです(ペルー人にずいぶん聞きましたが、他の種類があるのかは不明)。

煮ると栗のようにほっこりとした食感が味わえます。

ペルー料理店などで尋ねてみても、ちゃんとした返事がもらえていないのですが、日本でいうところの「インカの目覚め」のような品種がこのパパ・アマリージャに使われているジャガイモと近いのではないかと思われます。

というのも、ジャガイモは一般に長く保つので乾物にする必要性は他の野菜類に比べると高いとは思えません。

でも、インカの目覚めは足がはやいジャガイモとして知られます。

すぐに芽が出るし、皮がシワシワになってしまうので、それを避けるために乾物にしたのではないかとは個人的な推察です。

戻し方、使い方

水に浸して7〜8時間おいて戻します。

ペルーでは、肉とパパセカを煮込むカラプルクラという料理が有名です。

パパセカは、シチューやスープなどの具にすると、煮崩れせず、とても美味しくいただけます。

カラプルクラ(パパセカを使った代表的ペルー料理)

ペルーの代表的料理Carapulcra(カラプルクラ)風煮込み料理を作ってみました。

ペルーのパパセカと豚肉の煮込みカラプルクラ

とくにリマでよく食べられる家庭料理です。

昔は、乾燥ジャガイモをリャマの肉とともに煮込む料理でしたが、今は牛肉、豚肉、鶏肉も使われています。

[材料(2人分)]

パパセカ 200g、玉葱 1個、豚肩ロース塊肉 400g、クミン 小さじ1/8、クローブ 2個、油 適量、水 2カップ、ピーナッツ 50g、塩・胡椒 各少々

[作り方]

  1. パパセカは水につけて8時間おいて戻し、水気を切る。
  2. 玉葱は薄切りにし、豚肉は一口大に切る。
  3. 鍋に油をひき、塩胡椒をした豚肉を炒め、焼き色をつける。
  4. 玉葱とクミン、クローブを加え炒め、玉葱がしんなりしたら、水と1を加え、蓋をして沸騰したら弱火に変えて煮込む。
  5. ピーナッツはフードプロセッサーにかける、つぶす、刻むなどして細かくしたら、4に加える。
  6. 30〜40分ほど煮て肉が柔らかくなったら、塩胡椒で味を調える。

*市販のピーナッツパウダーが入手できればそれを使っても。

パパセカが手に入ったら、ぜひ作ってみてくださいね。

ジャガイモの新しい美味しさに出会えると思います。

都内だと、五反田にあるキョーダイマーケットで扱いがあります。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
東大法学部卒。外資系金融機関等を経て、娘の重度のアトピーをきっかけに食の世界に。

食には未来を変える力があるという信念のもと、今のライフスタイルにあった乾物や米粉の活用法を中心にレシピを開発している。
料理教室の開催、企業向けメニュー開発、研修など多数。

料理を自由に発想でき、毎日の料理が楽しくなる独自の「ピボットメソッド」を考案。個人やメニュー開発が必要な方向けのトレーニングも行っている。

著書14冊。メディア出演多数。

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