昆布といえば北海道。
なのですが、気仙沼で作られている「にぎり昆布」、昆布を柔らかく煮たい!という方には、これ、お勧めです。
2019年秋に新潟の柏崎市の今井商店さんが都内に出店しているときに購入して、初めてにぎり昆布の存在を知りました。
一般に売られている「早煮昆布」に比べて、昆布の風味が強いように感じます。
(2021年6月9日 加筆修正)
サステナブル料理研究家、一般社団法人DRYandPEACE代表理事のサカイ優佳子です。
2011年からは特に、現代のライフスタイルに合わせた乾物の活用法の研究、発信に力を入れています。
食品ロス削減、省エネ、もしもの時の備えになり、そして意外かもしれませんが、料理を時短にしてくれるのが乾物。
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Re・rise News
1 にぎり昆布とは?
にぎり昆布は、気仙沼鹿折地区で養殖されている昆布です。
握りこぶしくらいの大きさに束ねていることから、「にぎり昆布」と呼ばれるのだそうです。
11月に種付けをして、5月に刈り取り、干して整形して出荷されます。
(柏崎の今井商店さんのホームページ参照)
(写真は、今井商店さんからお借りしました)
一般の養殖昆布は、2年かけて育て、促成の昆布ですら1年ほどかけてから収穫するので、半年で出荷というのは超促成と言えるでしょう。
でも、養殖だから、促成だからよくないのかといえば、用途によってはとても使い勝手が良いのです。
2 結び昆布にも最適 柔らかいからこその魅力
昆布ダシを切らした時に
私は、普段、昆布を水に入れた状態で、冷水筒に入れて冷蔵庫にダシとして常備しています。
でも、うっかり切らしてしまった時とか、鍋などで大量に使う場合に、にぎり昆布は便利!
にぎり昆布を食べやすい大きさに切って料理に入れると、昆布の香りが広がり、また短時間で柔らかくなるので、他の具と一緒に食べることができます。
これが例えば利尻昆布となると、簡単に柔らかくはならないし、そんなにすぐには昆布の旨味も出てきません。
(ちなみに、一番美味しい昆布だしのとり方を、蔵囲い昆布で有名な奥井海生堂さんでは、60度で1時間煮るとしています!)
昆布巻きや結び昆布に
10分ほども戻せばすぐに柔らかくなるにぎり昆布なら、結び昆布も簡単に作れます。
昆布巻にも、もちろん使えます。
今井商店さんのホームページには、「煮ないで作れる?昆布の佃煮」他、何点かにぎり昆布を使ったレシピが紹介されています。
ご参照くださいね。
3 不作が続く昆布
コンブ不作の原因は海の温暖化
海の温暖化で、冷水を好む昆布の不作が言われるこの頃。
日本昆布協会によると、1989年をピークに、30年間で国内産コンブの市場供給量は約1/3に減少しています。
(出典 : 毎日新聞 北海道版 2021年6月8日 )
温暖化スピードを遅くするために社会が動くと同時に、一方で多少の水温上昇にへこたれない昆布の品種改良が期待されます。
通常の昆布は7〜9月に収穫されるのですが、にぎり昆布は5月に収穫。
もしかしたら、海水温が高い夏前に収穫をしているということなのでしょうか。
生産者さんに伺ってみたいです。→ 自分への宿題
にぎり昆布、ぜひ一度試してみてくださいね。
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