春先、スギ花粉だけではなく、大陸から飛んでくる黄砂のニュースを毎年聞くようになりました。
この黄砂の原因が、実は日本人のカシミヤ好きとも関係していることを、ご存知ですか?
2013年から、乾物を使ったカレーを食べることを、内モンゴルの緑化につなげる「乾物カレーの日」というプロジェクトを続けています。
サステナブル料理研究家、一般社団法人DRYandPEACE代表理事のサカイ優佳子です。
2011年からは特に、現代のライフスタイルに合わせた乾物の活用法の研究、発信に力を入れています。
食品ロス削減、省エネ、もしもの時の備えになり、そして意外かもしれませんが、料理を時短にしてくれるのが乾物。
いいことだらけの乾物を、ふだんの食卓に取り入れる方法を、このブログでもいろいろお伝えしています。
乾物に関する役立つ情報満載の無料メルマガを書いています。
ぜひ、乾物仲間になってくださいね!
「乾物ってこんなに簡単!日々の料理を手軽に美味しく」
なぜ乾物?について、インタビューを受けました。
20分ほどの動画です。ご覧いただけたら嬉しいです。
Re・rise News
ほぼ同じ内容の音声配信はこちらでお聴きいただけます。
standFM 「サカイ優佳子の 食卓で世界旅行」
目次
1 乾物カレーの日とは?
6月の第一土曜日は、乾物カレーの日
6月第一土曜日を、乾物カレーの日として、その日を中心に毎年イベントを開催しています。
6月第一土曜と決めたのは、昔から、乾物は梅雨の前に使いきれと言われてきたからです。
(関東の梅雨の時期に合わせています。すみません。)
でも、今ではそんな言葉を知る人も少数派になってしまいました。
それだけ乾物が、キッチンから遠い存在になってしまったということなのかもしれません。
乾物カレーを食べることが、内モンゴルの緑化に
乾物を使ったカレーを食べることを、内モンゴルの緑化につなげます。
1枚目の写真は、プロジェクトスタート当初の植樹地の様子です。
今では小さな森になりました。
もう植樹するための空いた土地もなくなって、2021年からシリンゴルという地域にある新たな植樹地に移ることになりました。
2 乾物カレーの日を始めた理由
乾物を使う社会的&個人的メリット
2011年から、乾物を「食べものから水分を減らすことによって、常温で長期保存が可能な食材」と定義して、その普及活動をしてきました。
乾物には、こんなメリットがあると考えたからです。
- 乾物にすれば作りすぎた野菜、形が悪い野菜でもOK、だから食品ロス削減になる
- 長く保存できるから、無駄なく使い切れて食品ロス削減になる
- 軽いので、輸送の際のCO2削減になる
- 軽いので、買い物がラク
- 常温保存できるので、冷蔵が要らず省エネ
- 長期常温保存できるので、もしもの時の備えになる
- 戻すだけで使えるものも多く、包丁やまな板なしの調理も可能で時短
- 旨みがたっぷり含まれる
- 栄養価が高まるものも多い
- 食物繊維がたっぷり
立ちはだかる3つのマイナスの先入観
とはいえ、
- 古臭い
- 醤油味の煮物ばっかり
- 面倒くさそう
乾物の印象を尋ねると、返ってくるのはこうした言葉たちでした。
この先入観をとっぱらうには、どうしたらいいものか、、。
そんな時に思いついたのが、カレーでした。
乾物をカレーパンにしよう!
2013年、知り合いのパン屋さんにお願いして(今は閉店してしまいました)、DRYandPEACEで開発した乾物カレーのレシピをお渡しし、デモンストレーションし、試作販売をお願いしました。
その時の写真が、上のものです。
そして、あるビジネスセミナーを受けていた仲間が、このお店の近くに住んでいるからと買ってきてくれた時の写真がこちら。
皆さんの反応もバッチリで、これでスタートできる!と思った瞬間でした。
3 乾物カレーパンを食べることを、砂漠緑化に繋げる
DRYなFOOD乾物で、DRYなLAND砂漠を潤す
パンの試作と並行して考え、行動を始めたのが、砂漠緑化を進める団体を探すことでした。
食べることには、未来の社会を変える力があると信じてきました。
せっかくなら、乾物カレーパンを食べることで何かが変わる仕組みを作りたかったのです。
ネットで探して巡り会ったのが、一般社団法人地球緑化クラブ代表の原鋭次郎さんでした。
- 闇雲に木を植えるのではなく、その土地にかつてあった植物を植える
- 単一品種を植えるのではなく、生態系を作る
- 現地の人の雇用につながる仕組みを作る
何本植えた!というのはわかりやすい指標ではありますが、それが地元の人たちの暮らしにも貢献する植樹であることを重視したい(だから木ではなく、それは草かもしれない)という原さんの考え方に、この人と進めたい!と即決したのでした。
日本人のカシミヤ好きと黄砂
日本でカシミヤが安く買えるようになったことは、皆さんご存知のことと思います。
それは内モンゴルやモンゴルで、カシミヤ山羊が過放牧されているからなのです。
必要以上にカシミヤを放牧すれば、ヤギなので、植物を根こそぎ食べてしまいます。
これが、砂漠化の大きな原因と言われています。
そして、砂漠化した土地から、日本にまで黄砂が飛んでくるのです。
4 協力店、料理教室を増やす
パン屋さんに飛び込みでお願いして回る
最初のパン屋さんが、これなら自分で作れるほど簡単だと思ってくれたこと、コスト的にも合うと言ってくれたことは励みになりました。
その後は、パン屋さんに少し余裕ができる午後の時間帯に、突撃お願いをして回る日々。
そんな当初から、乾物カレーパンを曜日限定ながら通年販売を続けてくれているのが、横浜市都筑区のル・ゼルさんなのです。
パンだけでなくてもいいのでは?カレー全般に
仕事でどこかを訪れるたびにパン屋さんに突撃、でもたいていは断られました。
パン屋さんの多くが、パンに入れる具材を外から仕入れることが多いことは、たくさんのパン屋さんとお話して知りました。
パンを焼くことだけでも、忙しいからです。
「パンでなくてもいいのでは?」
ある飲食店さんにお話ししたところ、パンの時とは違って「いいですよ」と軽く請け合ってくれるところが多くなりました。
2016年ごろだったと思います。
5 家からでも参加できる方法を模索
多くの飲食店さんにご協力いただけるようになっても、「家の近くにないので残念」「子どもが小さいから外食は難しい」などの声も聞くようになりました。
ハッシュタグをつけたSNS投稿の数に応じて寄付をお願いできないか、乾物関連、カレー関連の企業さんに連絡を取りました。
そんな中、
- 商品を消費者や飲食店、料理教室にご提供いただくことでプロジェクトを応援
- ハッシュタグ投稿に対して寄付
- その企業のある商品の売上数に応じて寄付
など、さまざまなご支援をいただけるようになりました。
2021年のハッシュタグキャンペーンについてはこちらをご覧ください。
6 たくさんの方々のご協力
環境問題のような大きな課題を認識してはいても、自分には何もできないと思ってしまうってありませんか?
乾物カレーを食べること、乾物カレーの作り方を習いに行くこと、家で作ってSNS投稿すること。
そんなことが課題解決に少しでも繋がるなら、やってみよう!と思う人は少なくないことを、このプロジェクトを進める中で改めて感じています。
仲間で、毎日のように乾物カレーを作って投稿してくれたり、乾物カレーの日の理念や投稿方法を丁寧に書いて拡散してくれる人たちがいたり、、。
そして、乾物をカレーで美味しく食べるアイディアが、たくさん集まりました。
「乾物カレーの日2021」でご覧いただけます。
https://www.facebook.com/events/525798705463019
乾物カレーの日は、これからも続けていきます。
詳しくはこちらをご覧くださいね。
あなたの乾物の知識はどのくらい?
5つの質問に答えると、回答と解説を読むことができます。
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