ハスイモを干した「はすがら」の使い方 乾物料理のプロが解説

干した「はすがら」

「乾燥はすがら」と書いた食材を、高千穂のお土産にいただきました。

乾燥はすがら

以前、タイでホームステイをしたときに、その家族と一緒に蓮池にボートを出して蓮の茎を収穫したことがあったので、「蓮根の茎を乾燥させたものなのかな」と思ったのですが、どうも違うようです。

「芋がらのことを、高千穂ではそう呼ぶのかな?」とも思ったのですが、これも違いました。

里芋の仲間ではあるものの、里芋とは違いますよ、とある方が教えてくれました。

料理のパーソナルトレーニング

はすがらとは何か?

はすいも

「はすがら」は里芋の仲間のハスイモ

はすがらは、里芋の仲間の中でも、根っこが大きくならず、葉柄(ヨウヘイ、茎のようなところ)だけを食べる「ハスイモ」を乾燥させたものなのだそうです(植物学的には里芋と別の種と書かれている本もあります)。

  • ハスイモは、里芋の仲間
  • 根塊が大きくならず、芋は形成されない
  • 葉柄を食べる

ハスイモだから「はす」、葉柄のヘイはガラとも読むので「はすがら」となるわけですね。

他に、りゅうきゅうとも呼ばれます。

産地は高知や徳島が有名で、旬は6月から10月くらいです。

すっかり忘れていましたが、生のハスイモを2020年に写真に収めていました(上写真)。

切り口はこんな感じ(下写真)。

蓮根のような穴がいくつも空いていることからハスイモと呼ばれます。(参考「食材図典」小学館 p.313)

はすいもの切り口

この皮を剥いて、水にさらしてから乾燥させたものが「乾燥はすがら」です。

ずいきとは違うのか

一般的な里芋の葉柄を乾燥させたものは、芋茎(ずいき)、いもがらなどと呼ばれます。

ずいきには、赤、緑、白の3種がありますが、乾燥はすがらは、そのうちの緑に分類されます。

(参考 野菜情報ナビ 「はすいも」)

はすがらの調理法

はすがらは茹でてから水にさらす

下ごしらえ

一般のずいきに比べてアクが少ないとされますが、生のはすがらの皮を剥くときは手袋をした方がいいと言われるくらいなので、さっと茹でてから水に5分ほどさらした後に料理すると良いでしょう。

加熱せずに食べる

柔らかいながらもシャシシャリした食感があり、甘味も感じられる野菜なので、そのままお浸し的に食べたり、辛子マヨネーズで和えるなどオススメです。

酢のものは定番です。

酢味噌和えなども美味しいです。

加熱して食べる

牛肉と乾燥はすがらの酢醤油炒め

肉などと一緒に炒めものにする。

上の写真は、牛肉と一緒に炒めて酢、醤油、みりんで味をつけました。

すき焼きなどに入れても美味しいです。

 

乾燥はすがら、下ごしらえしただけで一口味をみたら、甘くて本当に美味しくてびっくりしました。

牛肉との炒め煮も、普段はあまりこういう料理に興味のない家族も喜んでおかわりするほどでしたよ。

はすがら、見つけたらぜひ試してみてくださいね。

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ABOUTこの記事をかいた人

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
東大法学部卒。外資系金融機関等を経て、娘の重度のアトピーをきっかけに食の世界に。

食には未来を変える力があるという信念のもと、今のライフスタイルにあった乾物や米粉の活用法を中心にレシピを開発している。
料理教室の開催、企業向けメニュー開発、研修など多数。

料理を自由に発想でき、毎日の料理が楽しくなる独自の「ピボットメソッド」を考案。個人やメニュー開発が必要な方向けのトレーニングも行っている。

著書14冊。メディア出演多数。

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