2019年10月に開催したシェアReadingの会のテーマは、「五感と食の不思議を探る」でした。
その中で取り上げた一冊が、心理学者であり、知覚研究者のチャールズ・スペンス氏の著書
「『おいしさ』の錯覚〜最新科学でわかった美味の真実」。
「ポテトチップスを噛み砕いた時の音を聴きながらポテトチップスを食べると、実際よりサクサク、新鮮に感じる」という研究成果でイグノーベル賞を受賞!してもいます。
(イグノーベル賞は、毎年9月もしくは10月に「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる業績」や風変わりな研究、社会的事件などを起こした10の個人やグループに対し、時には笑いと賞賛を、時には皮肉を込めて授与される 出典 Wikipedia)
今回はその本のご紹介です。
ほぼ同じ内容の音声配信はこちらでお聴きいただけます。
目次
1 著者はどんな人?
2 どんな「研究成果」が書かれているのか
1 著者はどんな人?
著者は、ガストロフィジクスという学問分野を立ち上げています。
これは、ガストロノミー(美食)+サイコフィジクス(精神物理学)を合わせた造語。
ガストロフィジクスは、クロスモーダル(統合感覚)とマルチセンソリー(多感覚)における発見に基づいているのだそうです。
クロスモーダルとは、大辞泉によれば、
認知科学や心理学で、視覚と味覚、視覚と聴覚など、本来別々とされる知覚が互いに影響を及ぼし合う現象。赤い色を付けた甘味料が入った飲み物はイチゴ味を連想させるなどの例が知られる。
著者はまた、マーケティングの専門家、プロダクトデザイナー、ミュージシャン、そしてシェフなどが属する「クロスモーダル・リサーチ・ファクトリー」を主宰してもいます。
2 どんな「研究成果」が書かれているのか?
私たちは、味を本当に記憶しているのか?
雰囲気はどのくらい食べものの印象に影響するか?
触覚が味覚に与える影響〜カトラリーを使って食べることに疑問はない?びっくりカトラリーの提案
アップビートの音楽を聴きながら食べると早食いに?
テレビを見ながら食べると食べ過ぎる?
騒音や気圧と旨味の関係〜機内食でトマトジュースが多く選ばれるのはなぜ?
などなど、とても興味深い実験とその結果が記されています。
料理店を経営する人はもとより、家庭で料理を作る人にとっても参考になり、また、考えさせられる本でした。
より美味しく食べてもらいたい、食べたいと思う人にも、より健康的に食べたいと思う人にも、一読をおすすめ。
へえ〜、なるほど〜とおもしろく読み進めることができますよ。
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