ほうれん草のヨーグルトソースのレシピと食育

ほうれん草のヨーグルトソース

ギリシャやトルコで食べられているほうれん草のヨーグルトソース。
我が家ではお気に入りで、四半世紀は冬になると作り続けています。
この料理を作るときに、食文化の違いについて、また子どもの好き嫌いについて思うのです。

ほぼ同じ内容の音声配信はこちらでお聴きいただけます。

目次
1 ほうれん草のヨーグルトソースとは?
2 ほうれん草をシャキッと茹でてはいけない
3 ほうれん草の茹で方に見る食文化の差


1 ほうれん草のヨーグルトソースとは?


日本でもトルコ料理、ギリシャ料理の前菜としてレストランで見かける料理ですが、トルコだとYoğurtlu Ispanakと呼ばれます。
ピタパンとともに食べられています。

作り方は家庭によって多少の違いはあるでしょうが、大まかには、

  1. にんにくと玉ねぎのみじん切りをオリーブオイルで炒める。
  2. 茹でたほうれん草は、水にさらしてから絞り、包丁で叩いてペースト状にして1に加え炒め合わせ、塩胡椒で調味。
  3. 皿にもった2に、塩で調味したヨーグルトをかける。
  4. パプリカパウダーをふり、オリーブオイルをかける。

といった感じです。
私が昨日作ったのは、にんにく1/2かけ、玉ねぎ1/2個、ほうれん草 一把、ヨーグルトは1カップ弱くらいでしょうか。

玉ねぎを炒める時は、この料理ではその方が美味しい気がして、大さじ1くらいの水を加えて蓋をし、弱火で5分ほど放っておくことで火を通しています。
焦げは厳禁なのでたまに様子を見て混ぜています。


2 ほうれん草はシャキッと茹でてはいけない


日本では、ほうれん草はシャキッと茹でてお浸しや胡麻和えにしますが、シャキッと茹でた歯ごたえのあるほうれん草ではこの料理は美味しくなりません。

色が茶色くなってしまっては流石に茹で過ぎですが、クタクタになるまで茹でるのがポイント。

3 ほうれん草に見る食文化の差?


冬にしか作らないので、昨日久しぶりに作って味見をした時、「あ〜やっぱり美味しい!」と思いました。
家族も喜んでたっぷりぺろっと食べました。

ヨーロッパ(特にイギリス)で、「野菜がクタクタになるまで火を通していて、美味しくなかった」という話を聞くことがありますが、逆にイギリスなどでは野菜はしっかりと火を通さないと甘みが出ないと思われているのだそうです。
食文化の違いということなのでしょう。

五感で感じることを重視した食育ワークショップ「食の探偵団」のプログラムの一つとして、シャキッと茹でたほうれん草とクタクタになるまで茹でたほうれん草の食べ比べを導入したのも、こんなことからでした。(夏場はインゲンを使います)

青菜が苦手な人の中には、「クタクタに茹でると美味しく食べることができます」という声が意外に多いのです。大人もですが、子どもは特に。

これは子どもの好き嫌い解消のヒントになりそうです。
日本ではシャキッが常識でも、世界にはクタッが常識のところもあるというわけです。
ほうれん草が嫌いなのではなく、シャキッと茹でたほうれん草が嫌いなだけ、となれば、一歩前進です。

この料理は私の料理教室でも紹介しているのですが、25年前には、半分の人に不評でした(涙)。
それが10年ほど前にはほとんどの人が「美味しい!」「食べ方が新鮮!」「作ってみます」に変わったのも興味深いところです。

25年前の日本では、ヨーグルトを塩味で食べるということ自体、珍しかったので、クタクタほうれん草と塩味ヨーグルトのダブルパンチだったのだと思います。

そんなほうれん草のヨーグルトソース。
ぜひトライしてみていただきたいなあと思います。

ちなみにこの日のメニューは、
ほうれん草のヨーグルトソース
カリフラワーとブロッコリーのマスタードドレッシング
ビーツのホワイトバルサミコ和え
キャロットラペ
ムカゴの自家製アンチョビ&ガーリック炒め
ぶりのハーブ焼き(庭のローズマリーとベイリーフ)
バゲット
でした。

野菜のサラダ3種ムカゴのアンチョビ炒めぶりのハーブ焼き

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
東大法学部卒。外資系金融機関等を経て、娘の重度のアトピーをきっかけに食の世界に。

食には未来を変える力があるという信念のもと、今のライフスタイルにあった乾物や米粉の活用法を中心にレシピを開発している。
料理教室の開催、企業向けメニュー開発、研修など多数。

料理を自由に発想でき、毎日の料理が楽しくなる独自の「ピボットメソッド」を考案。個人やメニュー開発が必要な方向けのトレーニングも行っている。

著書14冊。メディア出演多数。

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