「知っておきたい水問題」は、九州大学での連続講義を元に編集された本。
今まで、水問題についての本を読んでいても、なんだかよくわからないと思っていたところが、グッとクリアになりました。
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11人の専門家によるそれぞれの得意分野、視点からの講義録
他の水問題に関する書籍との違いは、外国人を含む多くの専門家がそれぞれの得意分野、視点から水問題について執筆しているところです。
水問題の専門家である学者はもちろんですが、国際法の専門家が水をめぐる国際紛争について書いていたり、飲料水メーカーの研究所の研究員が、森を作ることによる地下水の増加の試みを書いていたり、環境に詳しい記者が、地下水のことをとてもわかりやすく書いていたり。
地下水とは?水をめぐる国際紛争とは?
特に第3章の「見えない巨大水脈ー地下水の今後」は、
- 地下水とはそもそもなんなのか
- 灌漑によって農地に水を撒くとどうして塩害に繋がるのか
- 地下水を組み上げるとどうして地盤沈下が起こるのか
- 硝酸性窒素による地下水汚染とはそもそもどういうことなのか
などが、とてもわかりやすく解説されていて腑に落ちました。
また、第5章の「水資源の利用をめぐる国際紛争の解決」は、世界のあちこちの地域での水をめぐる争いや判例がコンパクトにまとめられていて興味深かったです。
この章を読むと、日本が島国であること、一年を通して水に恵まれていることは本当に感謝すべきことだと感じてしまいます。
と同時に、食べものを多く輸入するために、輸出国の水をいただいてしまっていることへの責任(食べものを作るのには大量の水がいること。
また、輸入したからにはちゃんと食べ切ろうという責任)があることも感じました。
水質の安全性を確保するために、動物資源を利用する試み
第6章では「生物たちが守る飲み水の安全性」として、世界各国で採用されている飲み水の汚濁を察知するために植物プランクトンや動物プランクトン、二枚貝や魚などを
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