【カンボジアの味覚】まな板の上で焼く魚醤?プラホック・アング・ルー・チュルン

プノンペンでたべたプラホック

世界各地を歩き、その土地の台所や市場、屋台から高級レストランまで食べ歩くのが何より楽しい!

と思っている、旅する料理研究家 サカイ優佳子です。

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2026年2月中旬から3月下旬にかけて訪れたカンボジアでも、たくさんのおいしい味に出会いました!

とくに、カンボジアのシェムリアップとプノンペンで出会った料理「プラホック・アング・ルー・チュルン」!

直訳すれば「まな板の上の炭火焼きプラホック」なんだそうです。

私の食への好奇心が激しく揺さぶられました〜。

プラホックとは、湖や川の淡水魚を塩とともに醗酵させた「魚醤」。

カンボジアでは多くの料理にこれが使われます。

現地の人は、この料理のこともただ「プラホック」と呼ぶこともあるようです。

でも、プノンペンレストランで、「プラホックを」とお願いしたら、半液体状のディップのような料理が運ばれてきてしまいました!

なので、この料理にありつきたかったら、プラホック・アング・ルー・チュルンと指定するか、メニューの写真を指差すのがよいでしょう。

プラホック・アング・ルー・チュルンってどんな料理?

調理法が、ちょっと独特。

厚みのある木の板。何度も使い込まれたその分厚い板が、この料理には必須のようです。

叩いた豚肉とプラホック、みじん切りにしたレモングラスやカフィアライム(こぶみかん)の葉、エシャロット、ニンニク、唐辛子などを混ぜます。

それを、この板の上に広げて「調理」するのですが、網でぎゅっと押さえつけながら、板ごとひっくり返して炭火で焼き色をつけていくのが伝統的な作り方とのこと。

今は上からバーナーで炙るとか、オーブンで、とかもあるんでしょうね。

instaで家庭で作っている動画をみつけましたよ〜。

真似できそうだわ。

炭火でひっくり返して焼く動画も見つけました。面白い!

表面は炭火の力で香ばしく、中は蒸し焼き状態に。

食感を重視する日本人の私としては、カリッと焼き上がっているのが好み。

発酵食品であるプラホック特有の深みのある酸味と、ハーブの香りがたまりません!

新鮮な野菜やお米とともにいただきます。

若いドクダミの葉、瑞々しいハスの茎、四角豆。

そして日本ではあまりみかけないグリーンピースほどの極小ナスやピンポン玉サイズの丸ナス、キャベツ、インゲンなど。

野菜と一緒に頬張ることで、料理は完成します。

ちなみに、アジアでは、野菜をディップ煮つけながら食べる料理は多いですが(たとえばタイのナムプリック)、インゲンやなすも生のままですね。

乾物クイズに挑戦

実際に食べたプラホック・アング・ルー・チュルン

シェムリアップでたべたプラホック

運転手さんが「これぜひ食べて」と勧めてくれて初めて食べた1回目。

驚きのおいしさに手が止まりませんでした!

滞在中、3回食べた中で、このお店のものが一番香ばしくて美味しかったかな。

シェムリアップの小さな村の食堂で。

このペーストの中に、種のようなものがあるのは一体何なんだろう???と調べていたら、わかりました。

日本にはないと思うのですが、Java Colaというフルーツの中身をくり抜いたものを入れています。

ジャワ島を中心に食べられている、酸味のあるフルーツのようです。

こちらの動画で見ることができます。

 

2度目に食べたのは、ハンモックが吊るしてある、こんなところで。

シェムリアップの小さな村の奥まったところにあるお店。

このしつらえは特別なのではなく、カンボジアでは家庭にもハンモックがあるそうなんです。

カンボジアでは食後のハンモックはお約束

そんなカンボジアスタイルの、英語のメニューもない地元の人ばかりのお店でも、プラホックをいただきました。

このお店のものは、ボリュームたっぷり。

なので、カリっとした部分の比率は少なめで、しっとりした部分が多め。

もちろん食後はハンモックでゆっくり。

お昼寝までしちゃいました。

3度目は胡椒の街カンポットから、バスで首都プノンペンに移動して最初のランチに食べました(下の写真)。

このお店のものは、かなり酸味が強めでした。

注文したらあっという間にでてきたので、ある程度焼いておいて、最後表面を温めるだけでサーブしているのだと思います。

西洋人も多い繁盛店で、店員さんたちもかなり忙しく動いていており、業務効率化ということでは、しょうがないのかもしれません。

表面のカリッとさが足りなくて、比較しちゃうと少し残念ではありましたが、それでもやはり美味しい!

プノンペンでたべたプラホック

カンボジアの家庭の味なんですね

「この魚醤の力強い香りを受け付けない人がかなり多い」とのことでしたが、私は、これ、真似したいくらい好き!

好きすぎて、2週間の滞在で3回も食べてしまったわけで。

その土地の歴史や、人々の暮らしが凝縮された「尖った味」にこそ、抗いがたい魅力があるわ〜。

ところで、あるカンボジアの男性は、この料理が一番好きだと話してくれました。

それも家で奥様が作るのが、と。

カンボジアでは、結婚すると女性は家で専業主婦というケースがまだまだ多いそうです。

シェムリアップで生まれて育っているその男性は、可能な日は、昼も家にもどって食事をとるそうです。

「地元の人はまず外食しないと思いますよ。高すぎるし。もしカンボジア人で外食している人がいたら、国内旅行者でしょう」とのこと。

もし魚醤が嫌いでなかったら、カンボジアの発酵家庭料理、ぜひ試してみてくださいね。

東大式ロジカルクッキング

ABOUTこの記事をかいた人

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
東大法学部卒。外資系金融機関等を経て、娘の重度のアトピーをきっかけに食の世界に。

食には未来を変える力があるという信念のもと、今のライフスタイルにあった乾物や米粉の活用法を中心にレシピを開発している。
料理教室の開催、企業向けメニュー開発、研修など多数。

料理を自由に発想でき、毎日の料理が楽しくなる独自の「ピボットメソッド」を考案。個人やメニュー開発が必要な方向けのトレーニングも行っている。

著書14冊。メディア出演多数。

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