突然ですが、「棒寒天」(「角寒天」と呼ぶ人も)という乾物をご存知でしょうか?
先日、30代の方々とお話ししていた時に、棒寒天を見せて「これ何か知っている?」と聞いたら、
「色のついていない『ふがし』ですか?」
と言われて、思わずガックリしてしまいました(笑)!
さらに、「何から作っているか知っている?」と聞くと
「小麦粉?」とのこと。
2度ガックリです。
寒天の原材料は、海藻なんですね。
そして、もう一つ多くの方が誤解している「寒天のウラ話」があります。
スーパーなどでよく見かける便利な「粉寒天」。
これ、「棒寒天を粉にしたもの」だと思っていませんか?
実はこれ、まったくの別物なんです!
形が違うだけでなく、原材料も、作り方も、そして何より「栄養価や特徴」がかなり違うんですよ。
こんなに違う!データで見る栄養価の差
棒寒天はカルシウム、マグネシウム、カリウムが断然多い
まずは、こちらの比較表(100gあたり)をご覧ください。
| 栄養成分 | 棒寒天(角寒天) | 粉寒天 |
| 炭水化物(食物繊維など) | 74.1 g | 79.0 g |
| カルシウム | 660 mg | 120 mg |
| マグネシウム | 100 mg | 39 mg |
| カリウム | 52 mg | 30 mg |
| 鉄分 | 4.5 mg | 7.3 mg |
注目していただきたいのは、ミネラル類の量です。
なんとカルシウムは棒寒天の方が5.5倍も多く、マグネシウムも2.5倍以上!カリウムも棒寒天の方がしっかり含まれています。
なぜ粉寒天の方が鉄分が多いのか?諸説
「あれ?工場で作る粉寒天の方が、なぜ鉄分が多いの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
実はこれには、いくつかの説があるのですが、、、。
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ミネラルが流れ出るか、残るかの違い
棒寒天は、煮出した液を自然の中で「凍結・融解」させて作ります。
この過程で、水分と一緒に一部のミネラル分が外へ流れ出てしまうことがあります。
ちなみに、鉄は水溶性。
一方、粉寒天は工場で効率的に抽出・乾燥されるため、海藻本来のミネラル分が製品に残りやすいからという説があります。
ただ、では、カルシウム、マグネシウム、カリウムは?と思うと、首肯し兼ねます。
とくにカリウム、カルシウムは水に溶けやすい性質を持つので。
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成分がギュッと「凝縮」されるから
粉寒天は工場で不純物を取り除きながら、高純度な粉末に加工されます。
この「濃縮」に近い工程を通るため、100gあたりの鉄分などのミネラルや食物繊維が、ギュッと凝縮された形で仕上がるからという説も。
この説もまた、他のミネラルについてはどうなんだろう?と疑問です。
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アルカリ処理による影響
粉寒天を作る際、海藻をアルカリ溶液で処理して寒天の抽出効率を高める工程が入ることがあります。
この過程で鉄分が溶け出しやすくなり、結果的にできあがった粉寒天の鉄分量が多くなる傾向があるからという説も。
ただ、鉄は強い酸性の水溶液には溶けますがアルカリ性の水溶液には溶けないはず。
- 粉寒天の原料となるオゴノリは、棒寒天の主な原料のテングサより鉄分が多いとする説も。
でも、調べてみると、テングサよりオゴノリの方が鉄分が多いわけではありません。
というわけで、なぜ鉄分が多いかは結局わかりませんでした。
原材料と作り方で変わる「食感と使い勝手」
どちらがいい、悪いというわけではありません。
それぞれの特徴と考えてください。
粉末寒天(工業寒天)の特徴
粉末寒天の多くは「工業寒天」と呼ばれ、一般に輸入の「オゴノリ」を主原料としています。
工場で圧力をかけて水分を抜き、乾燥粉砕して作られます。
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メリット: 凝固力が強く、わずかな量でたくさんの水分をしっかり固められます。
海藻の香りが弱いので、どんな料理やスイーツにも合わせやすいのが魅力です。
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デメリット(食感): 棒寒天と比べると「弾力性」はやや弱く、固めの質感に仕上がります。
手早く、とにかく失敗なくパパッと固めたいときには、粉寒天は強い味方になってくれます。
棒寒天(伝統的な寒天)の特徴
一方で、棒寒天は「ところ天の乾物」と考えてみてください。
主な産地である長野県茅野市で、12月末から2月の最も寒い時期に、屋外に並べて天日干しにする「天然のフリーズドライ」製品なんです。
原材料は、基本は「天草(テングサ)」。
そこに扱いやすさをプラスするため、オゴノリを少し(天草85%:オゴノリ15%ほど)混ぜて作られています。
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メリット: 海藻由来の風味が味わえます。
豊かな栄養成分は、やはりメリット。
口当たりも、なめらかで心地よい弾力が出ます。
大切なのは「別物」として上手に使い分けること
それぞれの個性を知った上で、「別物」として賢く使い分けてみてくださいね。
忙しい日や、手軽に失敗なく作りたいときは、便利な「粉寒天」。
海藻の栄養をまるごとたっぷり摂りたいときや、なめらかな食感や風味を楽しみたいときは、伝統の「棒寒天(角寒天)」。
棒寒天は「使うのが難しそう」と思われがちですが、いくつかの簡単なコツさえ覚えてしまえば、失敗なく作れます。
また、実は棒寒天は、戻しただけで、そのままたとえば酢のものなどにするなどの食べ方もできるんです。
これは多くの方が「目から鱗!」とおっしゃいます。
所さんの目がテン!という番組でご紹介したのは、寒天入りカレー風味のスクランブルエッグ。
(番組HPから写真をお借りしています)
サカイ優佳子のYoutube「乾物なら ほったらかしクッキング」で、棒寒天とグレープフルーツのミント風味のレシピをご紹介しています。
せっかくの素晴らしい日本の伝統食材、ぜひ使い方をマスターして、毎日の健康的な食卓に役立ててみてくださいね!
棒寒天の失敗しない具体的な使い方については、こちらので詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください!







