【空気から作られるタンパク質!?】「水素細菌」が食の未来を変える?

水素細菌で作るタンパク質ソレイン
「最新テクノロジーで美味しく解決する」。

 

その最前線で世界的な注目を集めているのが、フィンランドのSolar Foods社が開発した空気のタンパク質「ソレイン(Solein)」です。

 

いったいどんなしくみで、どんなものなのかを調べてみました。

 

乾物クイズに挑戦

カギを握る「水素細菌」とは?

ソレインの主役は、水素(H₂)と二酸化炭素(CO₂)を取り込んで自身の体を合成する微生物の総称「水素細菌」です。

 

最大の特徴は、植物と違って太陽光(光合成)を一切必要としない点にあります。

 

食料生産テクノロジーとしての3つの強み

ソレインの特徴

    • 極めて高い生産効率: 体の乾燥重量の約60〜70%が良質なタンパク質で、アミノ酸スコアも優秀です。わずか数時間で細胞数が倍増する驚異的なスピードで増殖します。

    • 非農地型・立体型の生産: 土壌や大量の淡水、太陽光を必要とせず、ビル内やバイオリアクター(発酵槽)の中で24時間365日、天候や気候変動に左右されずに生産できます。

    • 脱炭素(CCU)との連動: 水の電気分解で作る「グリーン水素」と、工場や大気中から回収したCO₂を供給して培養することで、地球環境からCO₂を直接削減しながら食料を創出するサイクルが成立します。

 

 

どこで食べられる?世界と日本の商品化最前線

  • シンガポール: 味の素の協力で、ソレイン入りのアイスサンドや月餅が販売されているほか、高級レストランの特別メニュー(リゾットやジェラート)で先行展開中(2022年〜)。

  • アメリカ: FDAの安全基準(GRAS認証)をクリアし、プロテインパウダーなどのオンライン販売がスタート(2026年6月〜)

  • 日本: 国内企業が海外市場で実績を積みつつ、日本上陸と国内向け製品化に向けた準備段階。

 

【実食レポート】気になるお味は?

実際のアイス(ジェラート)の味わいについて、現地シンガポールで体験したメディアの実食レポートがありました。

 

ソレインジェラートの見た目は、街のジェラート屋で販売されるジェラートとほぼ変わりのないチョコレートジェラートだ。

 

香りは、リッチなチョコレートが香る。

 

例えば、大豆パウダーなどは、大豆の香りのインパクトが強く、食べる前から「大豆ジェラート」というイメージを持ちやすい。

 

一方で、ソレインジェラートは、何の邪魔もなくその見た目と香りから「普通のジェラート」としての期待が増す。

 

しかし、口に入れてみると、乳成分を一切感じない。

 

もちろん乳成分を加えていないので当たり前と言えば、当たり前なのだが、その見た目とのギャップはかなり大きいので、驚くかも。

 

また、口の中に、大豆ジェラートを食べた時のような、明らかに違った香りが残ることもない。

 

一般的なジェラートにあるような、クリームっぽさは皆無と言って良いだろう。

 

チョコレートアイスが食べたいけど、さっぱりした味わいが好きな人は美味しいはず。

(出典: Women’s Health JAPAN)

なぜ食品メーカーに選ばれるのか

ソレインは黄色いパウダー状で、原料自体の強いクセや主張がありません
そのため、従来の大豆などの植物性代替原料のように、風味を邪魔することがありません。

 

既存のレシピの良さを残したまま、「乳製品・卵の代替」や「さっぱりとした新食感のスイーツ」を作り出せる素材として重宝されています。

 

おわりに

「環境にいいから食べる」ではなく「美味しいから食べていたら、実は地球にも優しかった」になるといいですよね。

 

それにしても、空気から作るタンパク質って、びっくりです。

 

どんな味なのか、ぜひ一度試してみたいと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
東大法学部卒。外資系金融機関等を経て、娘の重度のアトピーをきっかけに食の世界に。

食には未来を変える力があるという信念のもと、今のライフスタイルにあった乾物や米粉の活用法を中心にレシピを開発している。
料理教室の開催、企業向けメニュー開発、研修など多数。

料理を自由に発想でき、毎日の料理が楽しくなる独自の「ピボットメソッド」を考案。個人やメニュー開発が必要な方向けのトレーニングも行っている。

著書14冊。メディア出演多数。

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