家で「新鮮な鶏肉なら生で食べても安全」は大間違い!

鶏肉の生食は危険

こんにちは、料理研究家のサカイ優佳子です。

今日は、日々の食卓に欠かせない身近な食材だからこそ知っておきたい、「食の安全」についてお話します。

テーマは、鶏肉の生食への注意です。

東大式ロジカルクッキング

概要を図解してみました!

国も動き出した!

先日、NHKなどのニュースで報道されていました。

厚生労働省もついに、事業者が生食用の鶏肉を加工する際の衛生基準などを定めたガイドラインを策定することで、対策を強化する方針を打ち出しました。

国レベルでも、生食用鶏肉への安全対策が本格化しようとしています。

参考 : NHK ONE 「生食用の鶏肉 衛生基準などのガイドライン初めて策定へ 厚労省」

子どもの頃の家で食べていた鶏わさは、危険だった!?

「鶏わさ」という料理をご存知ですか?

鶏肉の外側だけをサッと加熱して、中は生の状態でいただきます。

実は私が子どもの頃、家でこの「鶏わさ」を作って食べていた思い出があります。

サッとゆがいた三つ葉と和えて、わさび醤油で食べるのが大好きでした。

当時は何も知らずに食べていたのですが、今考えれば、ひやひやものです。

というのも、鶏の生食や加熱不足は、とても高い食中毒のリスクを伴うから。

その主な原因となるのが、「カンピロバクター」という細菌です。

この菌は鶏などの腸管内に生息していて、かなりの割合で検出されると言われます。

ただ、厚労省のホームページには、検体9のうち、なんと9からカンピロバクターが見つかったという記載もあるので、びっくりです!

出典 : 厚労省HP「カンピロバクター食中毒予防についてQ&A」

「買ってきたばかりの新鮮な鶏肉なら大丈夫じゃない?」

と考える方がいらっしゃるかもしれませんが、これは完全な誤解です。

「新鮮だから安全」ということはありません

スーパーやお肉屋さんで私たちが日常的に購入している一般的な鶏肉は、基本的にすべて加熱調理を前提としています。

お店で食べる鳥刺しは大丈夫?

宮崎で地鶏を楽しむ

では、飲食店で提供されている「鳥刺し」はどうなのでしょうか?

鹿児島県や宮崎県には、古くから鶏肉を生で食べる独自の食文化があり、それを守りつつ安全性を確保するために、県が独自に非常に厳格な衛生基準(ガイドライン)を定めています

この基準を満たすためには、以下のような徹底した衛生管理が求められます。

 

  • 専用の設備・器具を使用し、包丁やまな板は83℃以上のお湯で殺菌する
  • 食鳥処理の段階で、腸管内容物で汚染されないよう内臓を最後に処理する(外はぎ処理)
  • 肉の表面を加熱処理(焼烙殺菌)する
  • 速やかに10℃以下(望ましくは4℃以下)に冷却し、徹底した温度管理を行う

 

そんな中でも、レバーや砂肝などの内臓系は、カンピロバクター汚染のリスクが特に高いため、生食には不向きとして鹿児島県の衛生基準の対象外にされています。

特別な対策のもとで処理され、はっきりと「生食用」と明記された鹿児島や宮崎などの鶏肉でない限り、生で食べることは絶対に避けてください。

また、どんなに厳格な基準を満たした生食用であっても、食中毒のリスクを完全にゼロにするのは無理。

子どもや高齢の方、妊婦さん、免疫力が落ちている方は、生食を控えることが推奨されています。

どんな症状?どれほど危険?

カンピロバクターによる食中毒は、潜伏期間が平均2〜3日と長く、激しい腹痛や水のような下痢、発熱を引き起こします。

さらに恐ろしいのは、症状が治まってからしばらく経って、「ギラン・バレー症候群」という手足の麻痺などを伴う難病を発症してしまうケースがあるとのこと。

子どもの頃、私の家でたまたま食中毒が起きなかったのは、本当に「ただ運が良かっただけ」なのだと痛感してしまいました。

まとめてみました

  • 鶏肉は、中心部までしっかり加熱すること!(75度以上1分間)
  • 料理をする際は、生肉を切った調理器具から他の食材に菌が移らないように、こまめな洗浄と消毒を心がけてくださいね。

ちなみに、私は肉魚用の包丁とまな板と、野菜用をわけています。

正しい知識を持って、今日も美味しい1日に!

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ABOUTこの記事をかいた人

サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事
東大法学部卒。外資系金融機関等を経て、娘の重度のアトピーをきっかけに食の世界に。

食には未来を変える力があるという信念のもと、今のライフスタイルにあった乾物や米粉の活用法を中心にレシピを開発している。
料理教室の開催、企業向けメニュー開発、研修など多数。

料理を自由に発想でき、毎日の料理が楽しくなる独自の「ピボットメソッド」を考案。個人やメニュー開発が必要な方向けのトレーニングも行っている。

著書14冊。メディア出演多数。

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